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2024.11.18

たつのこそだて04:森下咲良さん「高校生国際美術展で最高賞受賞」

  • 市民の声
  • たつのこそだて04:森下咲良さん「高校生国際美術展で最高賞受賞」

好評の「たつのこそだて」シリーズがこの度リニューアルしました!
市内出身の方のみでなく、市内で活躍する“たつのこ”も紹介していきます。
不定期掲載となりますが、皆さん、ぜひお楽しみに!


作品と、賞状・メダルと共に。最高賞受賞の森下さん

憧れの先生と共に歩んだ3年間―
竜ヶ崎一高・森下さんが「高校生国際美術展」で最高賞を受賞

「受賞を先生から聞いたときはびっくりして言葉が出なかったけど、とにかく、うれしかったです」。
はにかみながら話してくれたのは、竜ヶ崎一高3年・森下咲良さん。
「第25回高校生国際美術展」書の部で、最高賞「キングズ・ファウンデーション(The King's Foundation Award/イギリス国王財団)賞」を受賞した。

森下さんの作品は、幕末の三筆といわれる貫名菘翁(ぬきなすうおう)の『左繍叙(さしゅうのじょ)』。
審査員から「線質にこだわりつつ、文字の完成度・文字としてのリズムのまとまり。そこからの複数の文字・行、全体としてのリズム、まとまりが良い」と評価された。

 

憧れの先生に教わるために―

森下さんは5歳から書道をはじめ、中学までは書道教室に通っていたそう。
中学生の時に、たまたま新聞で一高書道部の顧問・大古光雄先生の記事を読み、「この人に教わりたい!」と受験を決意。
入学後すぐ、書道部の門をたたいたそう。

一高の書道部では、羊毛筆(ようもうひつ/羊毛の柔らかい筆)と濃墨(のうぼく)を使用する。
「1年生のころ上手く書けないことが悔しくて、先輩と2人で朝練を始めました。それから何人かで朝練を続けたのが、今回の結果に結びついたのなら嬉しいです」と森下さん。

部員が取り組む作品は、それぞれの個性やレベルに合わせて、大古先生が臨書(古典を見ながら書くこと)の課題を出す。
森下さんは2年時に1年間、光明皇后(こうみょうこうごう)の『楽毅論(がっきろん)』に取り組み、力を付けてきた。

『左繍叙』は4月後半から取り組んだ課題。
「書道室に来ると、作品が机に積んであるんです。朝練だけでなく、昼休みも練習していたようで。たくさん書いたことが、形になったんだと思います」
「こんなにがんばってくれる部長は初めてでしたよ」と手放しでたたえる大古先生。
「みんな黙々と書いているけど、先生も含めて仲がいいのが一高書道部の魅力」と森下さんにも笑顔がこぼれる。

 

書道の魅力とは?

「書道は書いていて楽しいと思えることろが好き」とはっきりとした声が印象的だ。
「『左繍叙』は行書で、楷書の方が得意なので、最初は無理かも…と思いました。でも書いてみたら意外とリズムに乗れて、楽しく書けました!」と作品を振り返る。
書道部では、1人年間15近くの展示会・公募展などに応募する。現在校舎が改修中で、部活動の場所に制限がある中で、それぞれの力を高め続けている。
部を引退するまでに応募した作品で、中には選考結果待ちのものもあるとか。
ちなみに森下さんは、8月に岐阜県で開催された「第48回全国高等学校総合文化祭」書道部門にも茨城県代表メンバーとして参加し、特別賞を受賞している。


受賞作:貫名菘翁の『左繍叙』

 

 

夢に向かって

「別の夢があるので、書道は大古先生に教わるので最後にしようと決めていました。私にとって大古先生以上の先生はいないので。今年で全て出し切りました」と、やり切った人特有の、満足そうな笑顔が輝く。
また筆を持つことはありますか?との質問に、
「書道は高校までと決めていたんです」
「そこは、また筆を持つ機会があるかもしれないって言わなきゃ」
「え~、多分ないと思いますよ」
と、前部長と顧問の先生の仲の良い掛け合いが響いた。

 


 

高校生国際美術展で書道部が活躍

森下さんが「キングズ・ファウンデーション賞」を受賞した「第25回高校生国際美術展」書の部で、海老原里帆さん(2年)・倉持琉生さん(2年)・滝知果さん(2年)・貴島美知瑠さん(1年)も奨励賞を受賞しています。
おめでとうございます!

部活の様子

真剣なまなざしで臨書する生徒たち
落款
部員一人一人の落款印は、大古先生手作り

 

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