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2022.1.17

たつのこそだて01:豊島宙さん「イラストで龍ケ崎の人の温かみを表現したかった」

  • 市民の声
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サプラスクエア内にあるたつのこ図書館のキッズスペース。子どもたちが笑顔で本を読んでいる姿がよく見られるスペースにある優しいタッチの壁画は、龍ケ崎に暮らす人や街並みです。

描いたのは、龍ケ崎市出身のイラストレーター・デザイナー豊島宙さん。

豊島さんは、どのような想いで子どもの頃を過ごした龍ケ崎市を描いたのか。そして、大人になった今、龍ケ崎の姿をどう見ているのかを伺いました。


 

ーチャレンジしながら、強まっていった「龍ケ崎に貢献したい」という思い

現在、イラストレーター・デザイナーで活躍する豊島さんは、「絵を描くことが好きで、クリエイティブな仕事が向いているかも」と大学卒業後、都内のデザイン会社に入社。

様々なデザインに携わるうちに、元々絵を描くことが好きだったこともあり、イラストレーターの勉強をはじめます。

仕事終わりにパレットクラブという学校に通い、和田誠さんや安西水丸さんに指導を受けていたそう。

そのときのことを伺ってみると「当時はチャレンジだった」と笑顔で応えてくれました。 会社が終わったあとに、学校に通う日々で、描き方を学び続けたそうです。

そして、牛久市の酒屋「松蔵屋」さんの石田社長との出会いや著名な放送作家・小山薫堂さんの話を聞いたことが、今の想いにつながっていきます。

石田社長からは「ものを売るためのブランディングやデザインを教えてもらった」、小山さんの話では「まちを元気にするのにクリエイティブの力が使える」ということを感じたそう。

当時は東日本大震災後、これまで年に1・2回しか戻ってこなかった龍ケ崎に月1回ほど戻るようになった時期でした。

仕事を始めたときに、漠然と描いていた「地元茨城や龍ケ崎の仕事をして、微力ながら地域貢献ができたら…」という思いが、そこでより強くなっていったと振り返ります。

 

ー走り回った野原、友達との基地作り、叱ってくれる大人…描きながら感じた少年時代の最高の環境。

2020年冬、たつのこ図書館のイラストを描くことが決まり、実際に描きだしたのはコロナ禍の中でした。。

なかなか龍ケ崎に戻れない状況のなか、写真や動画配信サイトの中で見るふるさと龍ケ崎の姿や友だちや実家の家族のことなどを考えながら描いていたといいます。

そこで、ポイントになったのは子どもの時の体験でした。

今から約35年前、お住まいだった松葉・長山エリアは、開発真っ盛りでした。
約40年前の松葉・長山

【写真:昭和58年の松葉・長山エリア】

 

今は家が建ち並ぶエリアの中にも、原っぱや森、公園といった遊べる環境がたくさんの時代です。 友だちと基地づくりや野原を走り回ったり、バスケやサッカーをしたりと活発だったそう。

そんな時に「叱ってくれる大人もいたから、間違った方向にいかなかった」と笑いながら語ります。

今、子ども時代を振り返ってみると、「地域の目が行き届いている、龍ケ崎って温かい人が多い街なんだな」と感じ、「子どもにとっては最高だった」と。

 

ーイラストに込めた「龍ケ崎の人の温かさ」

イラストをよく見てみると、そこには多くの“人”が描かれています。

日常にあるのは、そこで暮らす人の姿。

「今日も北竜台公園を掃除されている方々を見かけたんですよ」

「防犯サポーターの人たちもありがたいですよね」

インタビューの最中、豊島さんから“人”に対する言葉が多く出てきました。 そんな、豊島さんがずっと感じているのは「龍ケ崎は人が温かい」ということ。

そんな気持ちを、たつのこ図書館のイラストにも表現したそうです。

分館のイラスト

ー離れて気が付いた「龍ケ崎の魅力」

今は都内を拠点に活動されていますが、「龍ケ崎に住んでいるときは魅力に気が付かないものですね。離れて、戻るたびに魅力に気付いていきます」と、大人になって感じる龍ケ崎の姿を語ります。

好きな風景は、龍ケ崎市駅から若柴方面に抜けて金龍寺の前にでる田んぼ道や、若柴公園の冬の日の匂いだそう。

「田んぼ道は自然を感じられるし、ザリガニがいたりとか、原風景ですよね。ただ夜は暗いですけど(笑)」とそこの道を通ることに、実はワクワクしているような印象を受けました。

実際に行ってみると、静かでホッとする空間がそこにはありました。

若柴に抜ける道

さらに、「撞舞、見に行きたいんですよ!来年、出来るといいな」と小学校の時に見た撞舞を大人になった目で見に行きたい。との思いもあるそうです。

毎日住んでいると、あるのが当たり前。

離れて気が付いた“龍ケ崎のここ、いいな”をたくさん引き出してくれました。

 

ー“たつのこ”たちへ「たくさんの挑戦をしてほしい。」

子ども時代、知らないことを知りたい、やってみたいと好奇心が強かった豊島さん。

最後に“たつのこ”たちにメッセージをいただきました。

「学生時代は東京に出たいなと思うこともあるかもしれません。でも、龍ケ崎には実は身近にすごい人や魅力がたくさんあります」と。

さらに、「たくさん挑戦して、たくさん失敗して、大きく育ってください。継続してやっていると、きっと協力してくれる人や助けてくれる人がいます」と語ってくれました。

 

ーおわりに…

豊島さんのインタビューを通して、感じたのは、龍ケ崎に当たり前にある景色や文化などは、龍ケ崎にしかないものでもあるということです。

毎日住んでいるからこそ、再発見できるものもあるかもしれません。

再発見のきっかけの一つとして、たつのこ図書館のイラストがあるのかもしれません。

豊島さんの絵を通して“龍ケ崎の魅力”を一人でも多くの方が発見できる機会ができているのかも。

 

プロフィール

豊島 宙(とよしま そら)

イラストレーター・デザイナー・龍ケ崎市出身

「クリエイティブとアイデアで町と人を元気にする」をテーマに掲げてグラフィック、WEBデザイン、イラストレーション製作を中心に活動中。

手作りと温かみのある見た人が元気になるようなデザインや絵を描く。似顔絵が得意。

2017年絵本製作でグッドデザイン賞受賞。

 

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